鳩山嫌い
朝ジェトロの方と日本企業の現状や貿易の状況などを伺って、DCに移動。
大学1年生の時に、初めての海外旅行を1人でした。サンフランシスコ、DC,NY,ナイアガラ、シアトル、LA,ホノルルと回った。そのときに、DCで、リンカーンメモリアルの前から夕日の時間に眺めた光景が運命的に感じ、留学先はDCのジョージタウン大学一本に絞った。
この町には2年間いたので、知り合いもいっぱいいる。ただ、滞在は二日で平日はたった一日なので一部の方とのみしかお会いできないのが残念である。
私の泊まっているホテルはホワイトハウスのすぐそばである。一年前、「Change」を合言葉に誕生したカリスマ的大統領は、今やすっかり落ち目になっている。今日はある方が言っていた、「口ばっかり良いことを言って、具体策がないから、人々の膨らんだ期待が萎むのも早かったんだ」と。何だかホワイトハウスがもの寂しげに見えてしまう。
また、昨日報告した2件も含めてスキャンダルが出るのはことごとく民主党から。自分たちが批判していたことそのままになっているという報道もあった。まるでどこかの国と一緒だ。
DCに来ると国レベルで物事を考えている人も多く、特に10%近い失業率を減らすことにまず全力を投球すべきだ、という意見が多かった。公的健康保険は現状既に保有している方からとにかく人気がない。こんなことをしたらかえって景気を悪化させるだけだ、という雰囲気も漂っている。
トヨタ問題は人々の間に質に対する疑念を起こさせている。長年の愛用者でも「子供を乗せるのは不安だ」という声を聞いた。これはよほど本腰を入れて信頼回復に努めないと大変なことになる。既に民事訴訟(クラスアクション)も起きつつあり、こうなるとアメリカ人は禿げ鷹のように食らいついてくるから大変だ。
なお、ホワイトハウスに近い方々の話を聞くと、日本の民主党自体もさることながら、鳩山総理の信用度(credibility)が全くないとのこと。特にオバマ大統領、クリントン国務長官との会談後の2回の記者会見で合意内容をひっくり返したり、相手が言ってもいないことを言ったりということについて、「信用(trust)」できない人だという認識になっているらしい。特にオバマ、クリントン、ゲーツという3本柱はすっかり鳩山嫌いで、日本には時間を使いたくない、とまで思われていると指摘される方もいた。
あるアメリカでビジネスをされている方が、「一刻も早く変わってほしい。そうでないと我々が長年積み上げてきたものが崩れてしまう危険性があるし、その不安感の中では思い切ったビジネス展開もしにくい。とにかく不安だ」と仰っていた。かなり深刻な状況だということはお伝えしなければならない。
>なるほど、仰りたいポイントがよく分かりました。
耳を傾けていただいて恐縮です。もちろん断片的な情報だけでは全体の把握はできませんが、1種の検証にはなると思います。ネットワークの発達に伴って、そういう検証がやりやすい時代でもあるのです。もちろん嘘やデマ、ハッタリ、虚勢、勘違い、情報不足に対するバランス感覚を磨いていくことは前提です。
一般人がうける文明の恩恵とは、家や橋や高速道路(建築)、自動車、家電、水や電気ガスといったインフラ、コンピュータ、医療くらいのものでしょう。その出来栄えは、与謝野氏も最近の著作でご指摘の通りもはや、一般人が必要とするスペックを完全に満たしていると言えます。寿命だって世界一の長寿国になった。それは文句なく良いことで、問題が色々あっても世界的に見ればこの国は「生き方次第で命を謳歌できる楽園」と言えるはずです。
国際競争力を問う前にちょっと立ち止まって、「物質的にはまあいいや」となった我々が次に人生に何を求めるかを問うことの大切さがまずあると思います。それを踏まえたうえで経済の話であれば、競争力の強化がそのまま人類全体のプラスに直結するものを目指す。目先の商品力や、軽薄な広告で他国を蹴倒すのではなく(それも商人にとっては大事でしょうが)、他が追従せざるを得ないものを目指す。省エネ技術は今のところその役割を担っていると思っています。
自前でエネルギー調達できないこと、CO2の問題以外に、日本の「一般人」が文明に求めるものはもはやないのではないか。だからこそ販売対象がまだそういう物質的恩恵が普及していない国にならざるを得ない。それが出発点になると思います。
麻生政権が行おうとしていた、アニメーションなどのいわゆるソフトウェアの販促ルートの後押し、などもマスコミにたたかれてはいましたが、文明の成熟から考えれば必然とも言えるのではないでしょうか。情報産業だってかなり成熟してきたのではないか、と素人目には見えます。その上で、一般人に「ソフトが駄目だというなら、じゃあ他にどうやって金を稼ぎましょうか?」と聞いてみれば行き詰まりが自覚できるというものです。
先進国が新たなサービスの提案をするということは、つまりは世界に向けての新提案をするといういわば大難題だと僕個人は自覚しています。
これは日本人全員で知恵を結集しなければ到底、乗り越えられない問題です。政治家に責任をなすり付けてすむような問題など何一つない。そういう意識を日本人全員が持つことが出発点だということを、一人一人にわからせる義務が政治家にはあると思います。
この国は本当にいろんな意味で大変な国で、それを引っ張ってきた人生の先輩方への感謝と、彼らが残してくれている物質的恩恵によっかかって生きているわが身を日々思っています。牧原氏にも共感していただけると思います。
私が「みんなでやろうぜ」の標語を見たとき感じたのは以上のようなことです。「独裁はいやだ」なんて話だけしているようでは、この国に未来はありませんよね。
Posted by: : 2010年3月 7日 12:09<< アメリカでは何が話題? | 歴史の地殻変動(訪米総括) >>









