理想だけの政治への決別

2010年5月 4日 21:43 | ブログ

「理想と現実」-私たちはその狭間で生きている。

理想を追い求めることは大切なことだ。一昨日のブログでも申し上げたとおり、国民や国に夢や希望を見せることは政治の大切な役割だ。

しかし、そこに具体性が伴えば伴うほど、実務的な裏づけと見通しがなければならないし、それがなければ単なる「愚か者」である。何もそれは特別なことではなく、普通の社会一般においても同じことである。何か重要なことを「約束します!」と約束した場合には、必ずそこに実務的な裏づけがあるはずであり、何もなく約束し、実行できない人は、どの立場にあろうと信用されなくなる。

今日、我が「日本国」の総理大臣が沖縄を訪問した。昨年の総選挙では、選挙期間中に「最低でも県外移設を実現します」と約束し、それが沖縄の選挙に大きく影響したといわれている。何も政権がなくとも、これまでどのような交渉が日米や地元と行われてきて、それがどのようなプラスマイナスの考慮のもとに成っていたのか、知っているのは当たり前のことであり、それすらも知らないで「政権交代準備完了」とか「公約実行」とかのポスターを街中に貼っていたのだとしたら、史上最悪の選挙詐欺ではないか。あまりに知識が浅はか過ぎて、よくも恥ずかしげもなく「準備完了」などと言っていたと呆れてしまうし、この騒動のために失った信用や期待のことを考えると悲しい。

ただ、これは民主党だけの問題ではない。永田町にいると、ついつい国民受けし、目先の選挙に何とか当選するためには一番都合の良いことだけを言おうという雰囲気に毒される。その最たる例が小沢一郎氏だが、実際成功するので、あれが「選挙の神様」だと崇められる。財政破綻の危険性やそれに伴う税金の話などは触れないでおこう、となる。実際、暫定税率引き上げのときに、私が駅立ちなどで受けた罵声の凄さを経験すれば、普通は二度と痛みを伴うことは必要であっても言うのはやめよう、と思ってしまう。これは選挙を実際にやってみると良く分かる。

「理想」だけの総理がいよいよ自らの罠に落ちつつある。日本の政治はこれを機に、少なくとも実務的な知識、経験、センスを有するプロ集団(再建請負人)に変えていかないといけない。29年連続子供の数減少という衝撃的なニュースも入ったわが国を、再び前に進ませるために。

 

 


コメント

牧原さん、こんばんは。
政治家、とりわけ国会議員には、国益を任せられる方になって頂きたいです。

例を上げるなら、
戸井田徹氏は国会に帰ってきて頂きたい方です。化学兵器処理問題など、感心しました。国益を任せられます。
舛添要一氏は、残念ながら自民党を離党されましたね。新党改革の記者会見を視ましたが、国旗の扱いを見るにつけ、国益を任せられないと感じました。

Posted by: kanun : 2010年5月 4日 23:43

国民は、「公務員のリストラを激しくしろ」、「消費税増税反対」という点にヒステリックになっている。このヒステリーに応える政治家が選挙に通る仕組みになっている。でも、現実的には、公務員の激しいリストラは難しいし、消費税もあげないことにはどうしようもない。誰が政権とろうと、このジレンマにぶつかるんでしょ。そうすると、いつまでたっても前に進まない。素人目にはそんな風に映るのですがいかが。

Posted by: ときどき読者 : 2010年5月 5日 00:24

最近、こういった情報がマンガにまでなっています。

http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001562

書店で売ってますから立ち読みでいいのでみてみてください。日本の立て直しに必要なものは数多くあります。1つには日本の技術を支えてきたものが何なのか、一人でも多くの日本人が知らなくてはなりません。

Posted by: : 2010年5月 5日 09:36

公務員改革は財政改革の側面と、国家国益のために必要な制度にするという意味での文字通りの公務員制度改革と二つの側面があります。私としては、どのような公務員制度が国家国民のためになるのか、というビジョン設定をきちんとした上、財政的側面を断行すべきだと思います。民主党政権では公務員労働組合が最大の支持基盤なので難しいと思います。でも、やらなくてはいけません。私は民間から公務員も経験しているので、たたきではない改革ができると自負しています。

消費税はあげないで何とかする方法をずっと考え、2007年頃にはそれも見えたのですが、ここ2年、特に民主党政権で一時的ではない制度的バラまきを大量に導入してしまった結果、もはや不可能になったと認識しています。もう、財政破綻を避けることは奇跡でも起こさない限り不可能で、その奇跡の一つが消費税増税かもしれません。

Posted by: 登録ユーザー : 2010年5月 5日 22:40

落選中の元議員さんほど、理想論を堂々と言えるという側面はないでしょうか。当選回数が増え、落選するのが怖い方ほど、理想的な政策より、選挙で落ちない政策を標榜する傾向はないですか?つまり消費税あげるなんて怖くて言えないのではないですか?しかも、皮肉なことに、国政をしきっているのは、そういう方々ではないですか。そうすると、理想的な政策が実行に移される現実的な可能性は低いのではないですか。

Posted by: ときどき読者 : 2010年5月 6日 00:02

政治家でも何でもない1国民から言わせてもらうと

>消費税あげるなんて怖くて言えないのではないですか?

そういうことをいう政治家に投票する国民がほとんどいないから、国債発行するしかなくていまの財政赤字があるんだろう。

景気対策と社会保障費を賄うために、つまりは国民のために金を使っている、というのがメインであるにもかかわらず、これまでの国政を短絡的に批判し、借金というのが「誰の誰に対する借金なのか」すらも自覚していない国民をどう思うか、考えてみることをお薦めしますがいかがか。

だいたい
>理想的な政策

が何かを一人ひとりが明示することの方が有意義だと思う。ちょっとやってみれば、そもそも「誰にとっても理想的なもの」などありえないことは常識的にもわかる。

Posted by: : 2010年5月 6日 20:34


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