B型肝炎訴訟和解案に思う

2010年10月12日 19:47 | ブログ

いつも悩むのは、国がどこまで何の責任を負うのか、ということである。特にそれが金銭賠償の時には、払われるお金はただではなく、私たちみんなの税金であるからなおさらだ。

今日、政府が示したB型肝炎訴訟の和解案は、総額2兆円であり、原告の要求通りだと8兆円だということが明らかにされた。原告は、政府の和解案ではC型肝炎よりも一人頭の金額が少なく、その分命が軽いのか!と怒っているという。

初めに断わっておきたいのは、国の予防接種などで肝炎になられた皆様には全く落ち度はなく、国を訴えたいというのも当然だということだ。おそらく、誰だってそのせいで一生重い十字架を背負わされたとしたら、せめて国や関係者が責任を認め、謝罪し、唯一の責任の取り方ともいえる賠償金をなるべく多くもらいたいと思うのは当たり前である。

その上で、他方で巨額の財政赤字を未来につけ送りしようとしている国家が、巨額の賠償金を国民の税金で払っていいのか、という現実的な問題を考えざるを得ないということだ。

民主党政権は、まずC型肝炎訴訟に関連して肝炎対策基本法を制定した。福田さんという象徴ともなった方が民主党議員になり、民主党として華々しい功績とされた。さらに、水俣病の和解や、自らの支持基盤でもある革マル系の国労に巨額の賠償金を支払うことにした。

これはある意味良いことである。他方で、このことが将来的に禍根を残さないか、と懸念を申し上げたこともある。つまり、これが先例となって、他の訴訟の賠償金が吊り上がるということだ。実際、今回のB型訴訟では「我々の方が命が軽いのか」という主張がなされたし、同様の訴訟では必ず同じ主張がなされる。国労訴訟も同じで、配置命令などに従わず、最後は賠償金を取った方がいい、ということになりかねない(この点、C型肝炎訴訟では製薬会社も負担をしているという指摘があったがその点はその通りです)。

あまり気づかれていないが、目に見えるばらまきだけではなく、こういう訴訟でも税金を巨額に使う仕組みとなることを国民としてみんなきちんと理解しなければならないと思う。被害者の方々のお気持ちと国民としてその賠償者の一人となり、その分重い税金を払う宿命になることと、その双方について政治はきちんと説明責任を果たす必要がある。


コメント

個人的意見ですが、
本質的には、キャリアの切り捨てだと思っています。

http://jimihen.exblog.jp/

このまま終わって良いのでしょうか。。。。

Posted by: 宮長浩之 : 2011年1月19日 22:25


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