TPP2
昨日の続き。
アメリカが参加表明をすることによって脚光を浴びたTPPは、なぜアメリカが参加を表明したのか、というところに鍵がある。それは、アジアでアメリカ抜きの自由貿易圏ができることをブロックするためである。
あと何年も経つと、世界の経済の中心はアジアに移る。人口でも14億を超えるだろうインド、13億の中国、3億のインドネシアをはじめ、パキスタン、バングラディシュ、ベトナム、フィリピン、日本と1億人以上の国々がある圧倒的な巨大市場を構成する。そのアジアが自分たちでまとまってしまうとアメリカは世界の盟主から落ちてしまうという恐怖がある。
日本はそのこともあってASEAN(東南アジア10か国)プラス3(日、韓、中)あるいは6(印、豪、NZ)の自由貿易圏を提唱し、すでにASEANを中心として個別にはFTAで結ばれており、残すはASEAN以外の国々がFTAで結ばれるだけであり、アメリカは相当焦っていたはずである。
その流れを一気に変え、アメリカが入った形での世界最大の自由貿易圏を目指すのがTPPであり、いわばアジアだけで固まるのを崩す戦略である。
さらに、TPPに参加表明するにあたり、アメリカは既存のFTAはそのまま尊重することを提案し、了解させている。つまり、昨日申し上げたアメリカとオーストラリアのインチキFTAはTPPの枠組みの中でも有効となり、アメリカはオーストラリアからの重要産品の輸入をブロックできるわけである。アメリカにとってTPPの対象となりうる環太平洋地区で怖いのは豪州とカナダのみであり、その理由はやはり農産品である。他に怖いブラジルは仮に参加表明したとしてもアメリカはたぶん入れない。そして、カナダはすでに市場開放が十分でないとすでに一旦却下されている。豪州は既存FTAで怖くない。備えは万全なのである。
韓国はアメリカとのFTAでお互いにセンシティブな農業や自動車などの工業品について綿密な協議の上、例外措置にした。だから、韓国は米国との関係ではTPPに入っても怖くない。韓国はTPP対象国の中で韓国の農産品などに脅威となりうる国とは個別にFTAを締結させた上で、TPPにゆっくりと入ってくるだろうと申し上げているのはそういう戦略があるからである。
TPP対象国の経済大国は、アメリカ、日本、中国、韓国くらいであり、あとはカナダ、豪州は先進国だが人口規模は小さい。日本以外はTPPについて綿密に国益上の戦略を持っているのに対し、日本は単なる雰囲気で「平成の開国」などと寝ぼけたことを言っている。通商のプロたちからしたらお笑い種である。
さて、そのうえで、なぜに私が「交渉には参加」せざるを得ないと申し上げるのか、長くなったのでそれはまた明日。
おもしろ過ぎて待てません。
サッカーのアジアカップの決勝戦と同じくらい楽しみに待っています。
アメリカの目的が、アジアにおけるアメリカ抜きの自由貿易圏のブロックにある、というのは無理がありませんか?
なぜなら、中国はもとより、インドもインドネシアもベトナムもTPPに参加するようになっていないからです。
さらに、後からより不利な状態で、それらの国がTPPに入ってくるとも思えません。
日本だけが参加するように、安全保障問題を人質にアメリカに要請されたのではないでしょうか。
その狙いは、もっと短期的直接的に、ドル安誘導も含め、日本への輸出をとにかく増やしたいからです。
その狙いは今年のオバマ大統領の年初の一般演説でも明確に触れています。ベトナムはすでに参加表明しています。中国は声をかけられ、昨年横浜で日本と一緒にオブザーバー参加しています。
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